ぱよまるは緑色

ぱよっとしてる緑色の物体がまるまるしてころころする

はじめての

ふぇすにいってきました。

生まれて初めて、生の本物のバンド演奏というものを見ました。

すごかった。

音楽が血管に直接流されて、曲のビートがそのまま拍動にされてしまうあの感覚はどうにも生じゃなくちゃ味わえない、直接摂取感に目も耳もやられてしまったような気がします。ありきたりな表現かもしれないけれど、私は確かにあの時あの会場で、音楽の中にいた。音楽という化け物クジラの腹の中で、ただその鼓動と息遣いと光を見つめて、けして一体化できないそれに恐れおののき、操られたような自主性で手を振ったり叩いたりすることしかできなかったのです。

全てが終わった時、確かに我々はかたちを失い、影だけがそこに立っていました。

やっぱり人間を狂わせることができるのは、芸術なのだろうと思いました。それをなんと本当に呼ぶべきか知ることはできないけれど、愛も何も、芸術と形容できる事象だけが人間を作ってくれているような気がしました。

やっぱり私は化け物になりたいと思いました。

珍獣として生きている今をいつか食い破り、怪獣でも、怪物でもなく、底の底まで引きずりこむような化け物になって、いつかスポットライトに浮かび上がった影でさえ恐れおののかれるようになりたいです。

そうしていつか、私を狂わせる何かに出会いたいと願ってしまう時点で、きっと私は凡人なのです。